「検事の本懐」 柚月裕子

f0052940_1413422.jpg「罪を押す」
出所したばかりの累犯者が起こした窃盗事件の真実を抉る。
「樹を見る」
同級生を襲った現役警官による卑劣な恐喝事件に、真っ向から対峙する。
「恩を返す」
県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める。
「拳を握る」
東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく。
「本懐を知る」
横領弁護士の汚名を着てまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描くなど、全五話。


12万部突破の法廷ミステリー『最後の証人』主人公のヤメ検弁護士・佐方貞人の検事時代を描いた連作ミステリー、待望の文庫化。骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が見事に融合した連作短編集。第25回山本周五郎賞ノミネート作品。

久々に面白い本を読みました。本は もうとっくに図書館に返してしまったので 記憶があいまいですが ぼさぼさ髪にシワシワ背広がトレードマークの検事佐方貞人が担当する事件の短編集です。どうも「最後の証人」という作品が先らしく 「最後の証人」では ヤメ検弁護士になっているようです。そして本作は その佐方の検事時代の話です。

この短編集の合間合間に 佐方の父で弁護士だった佐方陽世が 過去に何か横領事件の罪を犯しているらしいという事が匂わされていて そちらにも興味が惹かれて どんどん読み進めました。作者は女性なのですが 小説のテイストとしては 警察小説の横山秀夫に似ていて、検事や弁護士たちの悲喜こもごもが描かれています。そして罪を犯してやって来る罪人たちのそれぞれの奥深い事情が 人間佐方検事によって、白日の下に晒され、読者は 最後にあ~そういう事だったのかと知り、その隠された真実を見つけだす佐方に脱帽するのです。 

読み終わるのが惜しい・・・そんな小説は久しぶりでした。「検事の死命」という続編も出ていて 図書館から借りられるのは まだしばらく先の事になりそうで 待ちきれません。佐方検事、ドラマになるとしたら・・・と恒例の配役を考えてみましたが やはりこういった朴訥な人柄という点では 上川隆也あたりがぴったりかと・・・。それか西島秀俊もいいかな~とおもったりして。

作者柚月裕子氏は 「臨床真理」という小説で 「このミステリーがすごい」大賞を受賞しているとの事。知りませんでした。
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by alice0518 | 2013-12-19 00:11 |  

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