「検事の死命」 柚月裕子

2012年度の山本周五郎賞にノミネートされ、2013年度大藪春彦賞を満場一致で受賞した『検事の本懐』受賞後第一作です。
f0052940_1223240.jpg「心を掬う」
郵便物紛失事件の謎に迫る佐方が、手紙に託された老夫婦の心を救う。
「業をおろす」
感涙必至! 佐方の父の謎の核心が明かされる「本懐を知る」完結編。

「死命を賭ける」「死命を決する」
大物国会議員、地検トップまで敵に回して、検事の矜持を貫き通す(『死命』刑事部編)。検察側・弁護側双方が絶対に負けられない裁判の、火蓋が切られる(『死命』公判部編)。

骨太の人間ドラマと巧緻なミステリーが融合した佐方貞人シリーズ第三作。刑事部から公判部へ、検事・佐方の新たなる助走が、いま始まる!


「心を掬う」
郵便物の紛失を調べる事になった貞人が 証拠をつかむために 郵便局の汚物の浄化槽にまで入るその姿に そこまでやるのかと・・・驚きました。現金書留ではなく 普通郵便でお金を送る人が結構多い事に漬け込んで 現金を着服する職員。祖父母が 少ない年金から孫へ送金する話にも 胸がいっぱいになりました。

「業をおろす」
前作「検事の本懐」(感想はこちら)の続編にあたり、貞人の父で 同じく弁護士の佐方陽世が なぜ担当する会社のお金を横領したのか、その理由が 陽世の13回忌の法事の席で明らかになります。故郷では 父陽世は 横領した弁護士として 貞人の祖父母は肩身の狭い暮らしをしていて・・・。父の親友でもあるお寺の住職の計らいで その被害者の一族も法事に出席して、長年の謎が解けるという設定でしたが 私には少々ドラマティックに過ぎたかな~と まんまと作者の思惑に乗せられ、涙ウルウルになりながらも思ったのでした。

「死命を賭ける・刑事部編」
「死命を決する・後半部編」
電車の中で痴漢容疑で逮捕された男。被害者の女子高生は 母子家庭の補導歴もある不良少女。しかも男の妻とその両親は まで国会議員まで有する由緒ある家柄。どうみても旗色が悪い少女の話を信じ、真実を見つけ出そうとする貞人。上からも控訴しないようにと圧力がかかり・・・。起死回生の一手・・・出張で上司がいない時に控訴手続きを取るという奇策を取るのです。

もちろん男は痴漢行為をしてたのですが あの手この手で 真実は闇に葬り去られそうになり・・・。しかも男の行為には 驚くべき真実が隠されていて 読み終わってみれば 胸がすく想いを味わう事が出来るというわけでした。それにしても貞人の真実を探り出す目に感服。


「最後の証人」 柚月裕子
f0052940_1224868.jpg元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。そんな彼のもとに、殺人事件の被告人から弁護依頼が舞い込む。

高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。男女間の愛憎のもつれの末の犯行であり、物的証拠、状況証拠から有罪確実だとみられている。しかし佐方の本質を見抜く勘が、事件の裏に何かがあると告げていた。有罪必至の弁護を引き受けた佐方の勝算とは何か。

やがて裁判は驚くべき展開をみせる! 『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家による、衝撃の話題作!



こちらは 感想はパスしますが 時間の流れ的には 「検事の本懐」「検事の死命」の後、検事を辞めた貞人が 弁護士になって 敗戦必至の弁護を引き受け 逆転満塁ホームランを打つ裁判劇です。・・・ですが、なぜか こちらが先に書かれて出版されています。この時点で貞人は 所謂「ヤメ検」であって、弁護士だった父の事など なにかいわくありげな事がわかります。

佐方貞人のこのシリーズ。もっと読みたいです。前にも書きましたが ドラマ化も希望。貞人は 朴訥なイメージの上川隆也でお願いします。
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by alice0518 | 2014-02-23 15:08 |  

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